信用保証協会の保証料の基本
原則、保証料は全額前払い
中小企業が銀行などから融資を受ける場合、経営リスクが大きいために融資を受けることができなかったり、調達できる限度額や条件面において不利になることが多いのが現状です。
信用保証協会はそれらを解消し、中小企業がスムーズに資金を調達できるように、金融機関に対して信用保証を行います。
企業が返済困難になった場合には、信用保証協会は金融機関に債務を肩代わりして返済し、信用保証協会がこの代位弁済した金額を企業から回収します。
- 金融機関は、リスクの大半を信用保証協会に負担してもらう。
- 事業者は、金融機関からの融資を受けやすくなる。
- 信用保証協会は、リスクの対価として保証料を受け取る。
信用保証協会の信用保証に基づいて、銀行などの金融機関は中小企業に融資を実施しますが、この時に企業は銀行の利息の他に信用保証協会に「信用保証料」を支払います。
信用保証料は借入金総額に対して何%というもので、保証期間の最初から最後までの保証料全額を前払いします。
保証料率や期間により、保証料はかなり大きな金額になりますが、全額前払いが原則です。
※分割納付が認められる場合もあります。
信用保証料の計算
信用保証料は、貸付金額、保証料率、保証期間、分割係数によって決まります。
分割係数とは、保証付融資を分割で返済される場合、その回数により満期一括返済に比べて信用保証料を割引くための掛目のことです。
信用保証料 = 貸付金額×保証料率×保証期間(月数)/12×分割係数
計算例 | |
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貸付金額:1,200万円 保証料率:1.15% 保証期間:24ヵ月 満期一括返済 |
信用保証料= 12,000,000円×1.15%×24/12 =276,000円 |
貸付金額:1,200万円 保証料率:1.15% 保証期間:24ヵ月 分割係数:0.60 |
信用保証料= 12,000,000円×1.15%×24/12×0.60 =165,600円 |
信用保証協会の保証料について、もっと詳しく
◆信用保証料率の体系の変更
全国の信用保証協会の信用保証料は、企業の経営状況により、0.5%~2.2%の範囲で、以下のように9区分の信用保証料率の体系にされています。
上記の9つの区分のうち、どの区分に当該企業が該当するかは、中小企業信用リスク情報データベースによるスコアリングシステムに入力することで、区分されます。
また、1.35%が従来の一律料率であったため、それが平均的な中小企業のものであり、それよりも料率が低ければ低いほど収益や資産が安定した優良企業ということになります。
逆に、それよりも高い料率であれば、数年赤字で、資産内容も悪化している企業ということになります。
さらに、以下のいずれかに該当すれば、信用保証制度の割引制度があります。
- 日本税理士連合会作成の「中小企業の会計基準適用に関するチェックリスト」を提出した場合
- 有担保保証の場合
上記基本料率から0.1%を割引した料率が適用されます。
◆責任共有制度の導入
従来、信用保証協会が保証人となる融資については、融資金額の100%全額を信用保証協会が保証してきました。
しかし、平成19年10月1日保証申込受付分から、信用保証協会と金融機関とが適切な責任分担を図るため、「責任共有制度」が導入され、融資をした金融機関が信用リスクの20%相当額を負担することになりました。
原則として、すべての保証が責任共有制度の対象となりますが、一部の特別保証制度については、従来どおり、100%保証協会が保証されています。
主なものを以下に列挙しておきます。
- 経営安定関連保険(セーフティネット)1から6号にかかる保証
- 創業関連にかかる保証
- 小口零細企業保証制度にかかる保証
責任共有制度導入後の保証料体系は以下の通りです。
ちなみに、責任共有制度の対象となっている保証については、原則として、信用保証料は責任共有対象外の保証に比べ低率となっています。
◆保証料・利子の補給制度
各自治体の制度保証では、保証料や利子の補助がある場合もまれにあります。
例えば、藤枝市(静岡県)の保証料や利子の補給制度(一部)は次のようになっています。
各自治体の制度融資には、小規模企業融資、経営安定化融資、経営改善融資、多角化事業転換融資、事業活性化融資、資金繰り円滑化融資等があり、各信用保証協会でも名称が異なり、様々です。
具体的に信用保証料はどれくらいなの?ということはケースバイケースです。
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